聖なる鐘が聞きたいと教会にやって来た。
 教会の中からは美しい賛美歌が聞こえて来る。
 教会の前には聖人の物語が美しく飾られ、今日という日を更に盛り上げている。
 
 政宗と元親はその光景に見とれるようにただじっとしていた。
「なんだぁ、街のイルミネーションとかと違って神聖な感じがするなぁ」
「AA、さすがに教会だからな、今日という日に祈りをささげる人への為のものだ」
 政宗の言葉に元親は小さく『そうだなぁ』と呟く。

 クリスマスの夜に外に出るなんて寒いから嫌だといっていた元親を政宗が
無理矢理ここに連れてきた。
 最初は寒さを訴えていた元親だが、教会から賛美歌が聞こえてくると、
その人々の声に聞き入るかのように静かに教会に目をやった。
 教会の入口に並べられた蝋燭が、賛美歌にあわせる様にゆらゆらと揺らめく。
 教会の窓からこぼれる明かりや蝋燭、それに控えめに点けられたイルミネーションが
夜に浮かび上がりその空間だけがまるで違う次元のように感じられる。
 政宗と元親は神聖な空間に引き込まれるように教会に足を踏み入れた。
 
 「綺麗だなぁ・・・」
 思わず元親がそう言った。
 教会に入った二人の目に映ったのは、たくさんの蝋燭の明かりで浮かび上がった
美しい聖母の微笑み。
 『カラーン・カラーン』
 賛美歌が終わり鐘がなる。
 聖なる夜を祝福する為に。
 
 政宗は隣にいる元親に言った。
「HEY、このまま、ここで誓っていこうか」
「何をだぁ?」
「互いに、一生をかけて愛しつづけることを」
「なっ・・・・・・・(照)」

『カラーン・カラーン・カラーン』

 聖なる鐘が教会に響く。
 二人はその聖なる響きを、感じ続けるのであった。



 
Merry Christmas

  
by いちご 松林檎


2010年のクリスマスの夜に!




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