2010/2/7
ダテチカオンリーで配布したペーパーのミニ話です。

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冬の昼時。
「ちぃ、何処に行きやがった」
 政宗は、朝から姿を見せない元親を探していた。
 ここは、冬の南国、奥州とは違い、昼時には寒さもやわらぐ。
 だが、南国といえ冬は冬、やはり長い時間外をうろついてい
ると体が冷えてくる。
 政宗が元親を探しに山に入り、一刻は経っていると思われ
た。
 自分の国とは違う山道に、少々てこずりながらも進んでいく
と、目の前に開けた場所が現れた。
 周りの樹が除けるように開いたそこは、日の光が降り注ぎ、
まるでそこだけが違う世界のように見えた。
「A?元親?」
 政宗はその光の真ん中で、座り込んで上を向き、日の光を
浴びている元親を見つけた。
 眩しそうに目を瞑り、ただじっとしている。
 銀色の髪が光を浴びてまるで静かに燃える鬼火のようだ、
色素の薄い元親は、そのまま光に融けてしまうのではないか
と思わせるほど、光に溶け込んでいた。
 政宗は、その光景に一瞬声が出なかった。
 昨晩、自分の腕の中にいた元親は、幻覚ではなかったと自
分に言い聞かせて、声をかけた。
「HEY、何してんだ?」
 政宗の声に、元親が目を開け振り返る。
 まるで悪戯が見つかった子供のように、ヘラリと笑って言っ
た。
「あ〜、日向ぼっこ」
「HA?日向ぼっこ?なんだ?こんな所でか?」
「あぁ、気に入りの場所なんだぁ」
 呆れる政宗に、元親は悪びれることもなく手招きする。
「政宗も来いよ、すげぇいい気持ちだぜ」
 政宗は、元親の手招きに逆らうことなく横に座る。
 すると、そこは日の光が集まって、熱いくらいに温かかっ
た。
「温ったけぇだろ?」
 元親が、政宗の冷え切った頬を自分の手で触り暖める。
 政宗の頬に触れる元親は、確かな存在で政宗に触れて
いた。
 政宗の、先ほどまで消えてしまいそうに感じた感覚が薄ら
いでいく。
「しばらく付き合えよ」
 元親は政宗にそう言うとまた目を瞑った。
 政宗は、その言葉を聞きながらそっと元親を抱き寄せた。
 光に包まれた、二人は心で繋がっていた。
                          
 

 ダテチカオンリー記念   いちご松林檎  
                2010年2月7日

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